Title : |
体外循環下開心術時のレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の変動とその意義 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
長岡秀郎*, 今関隆雄*, 松永裕司*, 坂本徹**, 山田崇之** |
Authors(kana) : |
|
Organization : |
*土浦協同病院心臓血管外科, **東京医科歯科大学第2外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
29 |
Number : |
8 |
Page : |
1316-1323 |
Year/Month : |
1981 / 8 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
手術侵襲時, レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAAS)は電解質代謝および末梢循環維持に重要な役割を演ずる. 体外循環下開心術症例(CPB群)16例(うちLOS3例)および対照として体外循環非使用症例(非CPB群)7例計23例において血漿レニン活性, 血中アンギオテンシンII, アルドステロン値を経時的に測定しNa, K代謝への影響を検索し, また開心術後LOSを呈した症例におけるRAASの役割についても検討し以下の結果を得た. 1. CPB群において血中アンギオテンシンIIは術前41.4±30.5pg/mlから体外循環中175.2±92.4と有意(p<0.01)に増加し, 体外循環中の腎血流量の減少が推測された. 一方非CPB群では有意の増加はみられなかった. 2. 血中アルドステロン値はCPB群で術前19.7±10.6ng/dlから術後1時間で47.0±28.9と有意(p<0.01)に増加し, 術後5時間でも高値にとどまった. このアルドステロン上昇にやや遅れて尿中k濃度が増加しアルドステロンの関与が示唆された. このような現象は非CPB群に比してCPB群においてより著明に現われ術後も遷延した. 3. 血漿レニン活性とアンギオテンシンIIは経過中ほぼ平行して変化したが, これらとアルドステロンの変動とは一致せず, アルドステロン値の増加にRAASを介さない他の因子, 即ち副腎皮質刺激ホルモンあるいは肝におけるアルデステロン不活性化能などの関与が推測された. 4. LOS3症例においては血漿レニン活性およびアンギオテンシンIIはともに全経過中高値を示し, 全末梢血管抵抗の増加, 心拍出量の減少にアンギオテンシンIIの関与が示唆された. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
レニン, アンギオテンシン, アルドステロン, 電解質代謝, LOS |