アブストラクト(29巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 両大血管右室起始症の外科治療
Subtitle : 原著
Authors : 竹内成之, 今村洋二, 加藤木利行, 大蔵幹彦, 前原正明, 梅津泰洋, 井上正
Authors(kana) :
Organization : 慶応義塾大学医学部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 9
Page : 1452-1458
Year/Month : 1981 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 両大血管右室起始症(DORV)に対する開心術症例の手術成績および遠隔成績を検討し, 本症の外科治療とくに手術手技上の問題点を指摘し考察を加えた. 1. 慶大外科におけるDORV開心術症例は20例であり, うち7例(35%)の病院死亡, 1例の遠隔死亡を認めた. しかし1975年以後の症例は13例中病院死亡2例(15%)であり, 成績の改善が認められた. 2. 症例を肺動脈狭窄の合併の有無により, 肺血流量減少群〔with PS〕と肺血流量増加群〔without PS〕の2群に大別すると, 〔with PS〕は11例で, 手術時年齢3歳から13歳(平均5.9歳), SDD7例, SDL2例, ILL1例, SLL1例であった. 〔without PS〕は9例で, 14日から5歳(平均1.5歳), SDD8例, ILL1例であった. 3. 〔with PS〕の11例を, VSDの位置よりみると, subaortic VSD9例(うち2例死亡)subpulmonary VSD1例, doubly committed VSD1例であった. また〔without PS〕の9例は, subaortic VSD3例(うち2例死亡)subpulmonary VSD2例, doubly committed VSD1例, non-committed VSD3例(3例死亡)であった. 4. 〔with PS〕の手術時期はファロー四徴症に準じて行う方針であり, 乳児期にはBlalock-Taussig手術を第1選択としている. 5. 〔Without PS〕は9例中4例が乳児例で, うち3例が6ヵ月未満のnon-committed VSD例であった. 6. VSDの位置による手術手技の選択について考察を加えた. 3例のnon-committed VSD例はいずれもinternal conduitによる修復が行われたが成績不良で, 特にこの型のVSDでは, external conduitの応用など手術手技に改良が必要と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 両大血管右室起始症, Double-outlet right ventricle, 肺動脈狭窄, 心室中隔欠損
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