アブストラクト(29巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : トレッドミル試験時のテレメーター方式による心臓カテーテル法検査に関する研究─基礎的検討ならびにその臨床応用─
Subtitle : 原著
Authors : 古田直樹, 三枝正裕
Authors(kana) :
Organization : 東京大学医学部胸部外科教室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 9
Page : 1494-1507
Year/Month : 1981 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺動脈弁閉鎖不全犬(以下PI犬)を用いてトレッドミル試験時にテレメーター方式による心臓カテーテル法検査を行うことにより, 右心室圧や心拍出量を測定し, 運動負荷時の肺動脈における逆流が心臓に及ぼす影響について, 右心室拡張終期圧を中心に検討し, 同時にこの方法の臨床応用を僧帽弁狭窄症患者において行い本法の安全性および有用性について検討を行った. 基礎的検討:対象は正常犬10頭(I群), PI犬12頭(II群)及び肺動脈狭窄犬(PS犬)5頭(III群)でトレッドミル運動負荷時にPIおよびPSが心機能に及ぼす影響について右心室収縮期圧, 右心室拡張終期圧(RVEDP), 左心室拡張終期圧(LVEDP)および心係数(C.I. )を中心に負荷前と負荷開始後および負荷終了後, 各1分, 3分, 5分, 8分, 10分, 12分, 15分にそれぞれ測定を行った. 結果:RVEDPは負荷前には3群間に有異な差が認められなかったが, 負荷1分後ではそれぞれ3.2±2.7mmHg, 9.2±6.3mmHg, 4.0±3.5mmHgとII群が他群に比べ有意(p<0.0025)な上昇を示し, 負荷15分後にはII群において20.1±11.7mmHgとさらに上昇を認めたが, 他群の最高値は6.8±3.9mmHgに止まった. 負荷終了後はI, III群では1分後にほぼ負荷前値に戻ったのに対し, II群では10分後まで負荷前値に戻らなかった. LVEDPについてはI, II群のみを比較検討したが, 負荷前は0.6±1.3mmHg, 2.0±2.5mmHgであったが, 負荷10分後では3.5±4.7mmHg, 13.8±7.5mmHgとII群のみ異常値を示した. 負荷終了後はそれぞれ1分, 3~5分で負荷前値に戻った. C.I. は負荷前は各群とも, 3.1~3.6l/m2/min, と有意な差はなく, 負荷時にその増加率は, I群に比べIII群において有意(p<0.1)に低かった. 負荷終了後3群はそれぞれ5分, 10分, 8分後にほぼ負荷前値へ戻った
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : テレメーター装置, トレッドミル試験, 運動負荷時の心機能, RVEDP
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