アブストラクト(29巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大量喀血をくり返したMustard術後左肺静脈閉塞例と再手術上の問題点
Subtitle : 症例
Authors : 松川哲之助, 橋本良一, 金沢宏, 岡崎裕史, 広野達彦, 江口昭治
Authors(kana) :
Organization : 新潟大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 9
Page : 1516-1523
Year/Month : 1981 / 9
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 完全大血管転位症に対するMustard手術術後の重篤な合併症の1つとして肺静脈閉塞が4~19%にみられるといわれる. 著者らは本症I群に対する機能的左房拡大を伴うMustard手術の2年2ヵ月後, 大量喀血を伴う左肺静脈閉塞という従来の報告にみられない稀な病態に対する再手術例を経験した. 症例:生後11ヵ月時機能的左房拡大術併用, 心膜バッフルによるMustard手術を施行した. 術後7ヵ月軽度心不全が出現しジギタリス, 利尿剤投与で軽快したが, 術後1年3ヵ月就眠中突然喀血をみた. 術後1年5ヵ月時心臓カテーテル検査では肺動脈圧50/20mmHg, 右肺動脈楔入部中間圧12mmHgに対し, 左肺動脈楔入部中間圧は33mmHgを呈し, 肺動脈造影では左肺静脈相の造影がみられず左肺静脈閉塞の発生と診断した. 術後2年2ヵ月頻回な間歇的大量喀血と心不全の増強にて緊急手術を行った. 右開胸下に機能的左房を切開するに右肺静脈は十分開口していたが左肺静脈流入部は完全に閉塞していた為, 閉塞部の切除拡大と再度左房拡大術を施行した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 完全大血管転位症, Mustard手術, 左肺静脈閉塞, 側副血行路, 肺全剔術
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