アブストラクト(29巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 超音波検査法による上行大動脈起始部病変の診断
Subtitle : 原著
Authors : 山岸真理, 数井暉久, 山田修, 小松作蔵
Authors(kana) :
Organization : 札幌医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 10
Page : 1557-1566
Year/Month : 1981 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 上行大動脈起始部病変すなわちAnnulo-aortic ectasia, 解離性大動脈瘤I, II型, 大動脈根部拡大の7例に対して超音波検査法を施行し, 大動脈造影所見および手術所見と比較検討した. Annulo-aortic ectasiaの超音波断層図では, 大動脈起始部の著明な拡大, 左房の圧排狭小化と左室の拡大を認め, 心エコー図で大動脈弁逆流による僧帽弁の拡張期flutteringを認めた. 解離性大動脈瘤(DeBakey I, II型)の超音波断層図では大動脈壁に沿ってintimal flapによると思われるエコー像を認め, その存在部位と手術所見と良い一致を示した. また, 術後の超音波断層図では, 人工血管の外側にこれを覆うようなエコー像をみるものがあった. なお, 上行大動脈起始部病変を有しない対照群16例を加えて, 大動脈起始部径を心エコー図法, 超音波断層法および大動脈造影法により計測した. その結果, 大動脈起始部径の測定値は, 心エコー図と大動脈造影法(r=0.85), 超音波断層法と大動脈造影法(r=0.88)で, いずれもよい相関を示した. また大動脈径の平均値は上行大動脈起始部病変群はいずれの方法でも対照群より有意に高値を示した(p<0.01). 超音波検査法による上行大動脈起始部病変の診断の有用性とその限界につき文献的考察をも加えて報告した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 超音波検査法, 上行大動脈起始部病変, annulo-aortic ectasia, 解離性大動脈瘤I, II型, 大動脈根部拡大
このページの一番上へ