Title : |
左室局所心筋壁収縮率の定量化からみたAorto-coronary Bypassの評価 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
田中信行*5, 大野猛三*1, 山口保*1, 大堀克己*1, 数井暉久*1, 北野一郎*1, 安倍十三夫*1, 小松作蔵*1, 鎌田幸一*2, 西村進*2, 加賀谷闊*3, 吉野勝夫*3, 渋谷雄也*4 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
*1札幌医科大学胸部外科, *2北海道立釧路病院, *3国立療養所帯広病院, *4札幌鉄道病院, *5大船共済病院胸部心臓血管外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
29 |
Number : |
10 |
Page : |
1576-1584 |
Year/Month : |
1981 / 10 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
40症例のAC-Bypass(LAD35例, RCA10例)手術を研究対象として, 術前後の冠動脈造影および左室造影所見から冠動脈狭窄の程度(70~100%), 左室収縮率(EF, %radial shortening, Σ%radial shortening値)の定量化を行いAC-Bypass手術の左室収縮率改善の効果を検討し, 次の結果を得た. 1. 冠動脈狭窄の程度:(coronary score index)(x)と左室駆出率:(ejection fraction)(y)との間にはy=68.37-90.9x(r=0.51, p<0.001)なる負の有意な相関を得た. 2. AC-Bypass手術前後において左室全周収縮率Σt%radial shortening(x)値とEF(y)との間にそれぞれy=0.1125x+19.94(術前)(r=0.81, p<0.001), y=0.065x+39.39(術後)(r=0.65, p<0.001)となる有意な正の相関を認めた. 3. 前壁ならびに下壁のΣ%RSの平均値の比較では正常心, 虚血心, 梗塞心は有意差をもって異なった群であることが示された. AC-Bypass手術後, 前壁虚血心のΣ%RSは正常心のΣ%RS値近くに改善し, 下壁虚血心のΣ%RSは術後有意な増加となったが, 正常心のΣ%RS値に比較して有意に低値を示した. 4. 前壁虚血心に対し施行したLADバイパス手術34症例については術前よりΣ%RS値が有意に低値を示した症例群において, 術後Σ%RS値は有意な改善を示した(p<0.05). 5. 40症例のAC-Bypass手術において本手術は心筋虚血を改善し, 術後左室収縮率を増加する傾向を示したが, 収縮率が術前有意に低下している症例に対して, 術後収縮率の改善がより著明に出現するという結果を得た. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
ejection fraction, %radial shortening, coronary score index, AC-Bypass, 心筋壁収縮率 |