Title : |
大動脈冠状動脈バイパス術の3年後に突然死を来した川崎病の1例─移植静脈片の病理変化を中心に─ |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
竹内靖夫*, 須磨幸蔵*, 辻隆之*, 城間賢二*, 井上健治*, 吉川哲夫*, 成味純*, 直江史郎** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
*東京女子医科大学第二病院循環器外科, **東邦大学医学部大橋病院病理部 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
29 |
Number : |
10 |
Page : |
1674-1679 |
Year/Month : |
1981 / 10 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
大動脈冠状動脈バイパス術後3年1ヵ月に急死を来した川崎病の1例を経験した. 患者は2歳時に川崎病に罹患し, 小学校入学時より体育中に数度失神発作(冠虚血性発作と思われる)を起こした. 9歳時の冠状動脈造影では左冠状動脈は起始部で完全閉塞を来し, 石灰化を伴う動脈瘤を形成していた. 右冠状動脈も起始部で75%狭窄を示し, この血管から側副血行を介して左冠状動脈が造影された. 手術は右冠状動脈と左冠状動脈回旋枝に自家大伏在静脈でバイパス手術を施行した. 術後1ヵ月でのグラフト造影では回旋枝へのバイパスグラフトは閉塞していたが, 右冠状動脈のそれは良好な開存を示していた. 術後経過は良好であったが, 3年1ヵ月後の体育のジョギングなわとび中(校庭2周)に心性急死を来した. 剖検では術後造影で確認された3~4mm径のグラフトの内腔が線維性内膜肥厚により0.5~1mmに狭小化していた. 右冠状動脈も起始部では約1mmの開口のみで, 運動量に比し冠血流の供給が不足したことが, 心性急死の原因と考えられた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
Kawasaki disease(MCLS), aortocoronary bypass surgery, fibrous intimal proliferation, late graft failure |