アブストラクト(29巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 乳児期完全型心内膜床欠損症に対する根治手術
Subtitle : 症例
Authors : 横田通夫*, 村岡隆介*, 青嶋実*, 野本慎一*, 曲人伸*, 小林彰*, 中野博行**, 上田憲**, 斉藤彰博**
Authors(kana) :
Organization : *静岡県立こども病院心臓血管外科, **静岡県立こども病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 10
Page : 1685-1693
Year/Month : 1981 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 完全型心内膜床欠損症は生後12ヵ月以内に65%が死亡する. 乳児期の本症に対しては成績の不良な肺動脈絞扼術に代って一期的根治の意見が増えている. われわれの施設で内科的治療に抗した生後11ヵ月, 5.2kg, Rastelli A型の患児に対し超低体温麻酔下にRastelli法による根治に成功し, 術後1年10ヵ月で経過良好故報告する. 心房中隔一次孔欠損, 心室中隔欠損はそれぞれ24×15mm, 24×10mmであった. 手術手技上留意したことは, 裂隙の不完全な共通前尖および後尖を弁輪迄切開したとき僧帽弁成分を多く残したこと, 弁尖のパッテ縫着に当たって三尖弁狭窄をおそれて三尖弁前尖成分はパッチに固定しなかったこと, および刺激伝導路損傷をさけるために冠静脈洞出口を大きくまわり, その出口を左房側におくように心房中隔欠損を閉鎖したことなどである. 術後は洞整脈を保ち, 弁逆流はほとんどなく, 投薬もうけることなく健常な生活を送っている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 完全型心内膜床欠損症, Rastelli手術, 乳児期開心根治術, 超低体温麻酔法
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