Title : |
大血管転位症に対する外科治療の検討 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
島崎靖久, 松田暉, 宮本勝彦, 広瀬一, 奥田彰洋, 中埜粛, 島田康弘*, 北村惣一郎**, 森透***, 川島康生, 大西健二****, 森崎弘士****, 友国隆*****, 井町恒雄****** |
Authors(kana) : |
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Organization : |
大阪大学医学部第1外科, *大阪大学医学部集中治療部, ****紀南総合病院心臓外科, *****大手前病院心臓外科, ******国立療養所愛媛病院外科, **奈良医科大学第3外科, ***鳥取大学医学部第2外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
29 |
Number : |
11 |
Page : |
1763-1769 |
Year/Month : |
1981 / 11 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
大血管転位症37例について手術成績, 遠隔期成績を検討した. 手術死亡は11例(30%)と不良であった. 遠隔死亡は6例ですべてMustard手術例であった. 手術々式別に検討するとMustard手術29例(手術死亡6例), Rastelli手術3例(2例), Jatene手術3例(2例), McGoon手術1例(1例), Senning手術1例(0)であった. 手術成績は1976年以降改善し, 死亡率はそれまでの53%から14%へと減少した. 特にMustard手術は17例中手術死亡は1例のみとなった. しかし, Mustard手術例には遠隔死亡が4例存在し, 不整脈, 三尖弁逆流, 大静脈の閉塞, 肺動脈狭窄の残存, 右室機能不全等の問題が多く残された. 16例に術後精査を行った. 心係数は2.23~4.30l/min/m2であったが, 2.50l/min/m2未満の低心拍出量を呈したのは, 3例あり, いずれもMustard手術例で高度の三尖弁逆流, 肺動脈狭窄残存および下大静脈閉塞を合併し, これの解除を行ったことのある例であった. Jatene, Rastelli手術例の心拍出量は良好であった. 右室・左室容積を求めて心機能を検討すると, Mustard手術後の右室ポンプ機能はI型で最も低い値を示し, Jatene, Rastelli手術後の右室, 左室機能は良好であった. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
大血管転位症, 手術々式別成績, 術後血行動態, Mustard手術後合併症 |