アブストラクト(29巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心室中隔欠損症115例術後の遠隔成績の検討
Subtitle : 原著
Authors : 妙中義之*, 小林芳夫, 中田健, 松木英世, 日下高志, 三田紀行, 小田忠文, 八木原俊克**
Authors(kana) :
Organization : 大阪府立病院心臓センター, *国立循環器病センター, **大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 29
Number : 11
Page : 1770-1775
Year/Month : 1981 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 昭和53年末までに当院で閉鎖術を受け, 術後1年以上を経過した心室中隔欠損症(以下VSDと略す)について遠隔成績を検討した. 対象は単独VSD126例, 心房中隔欠損症又は卵円孔開存合併例28例, 動脈管開存症合併例1例, 合計155例である. これらの症例は右房切開にて閉鎖した2例を除きすべて右室切開にて閉鎖している. 遠隔成績の検討は, 術後6ヵ月以上経った時点での心胸郭比, 心電図を術前と比較し, また郵送によるアンケート調査および術前高肺血管抵抗群(0.15≦Rp/Rs)に属していた9例に対して行った術後心臓カテーテル検査に依った. 心胸郭比は有意差はないものの減少傾向を示した. 心電図上完全右脚ブロックは右室切開した109例中22例(20%)に発生した. アンケート調査は81%の回答率で, 結果は概して良好であった. 心臓カテーテル検査では肺血管抵抗の低下がみられた. しかし, 術後拡張期雑音のために血管心臓造影を行った症例のうち, 術前には大動脈弁閉鎖不全が存在しなかったI型のVSD2例で術後新たに大動脈弁閉鎖不全の発生を見ており, 問題が残った.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心室中隔欠損症, 術後遠隔成績, 完全右脚ブロック, 大動脈弁閉鎖不全
このページの一番上へ