アブストラクト(29巻11号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | じん肺に合併した食道癌の2症例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 大島昌*, 坂本真*, 印南隆一*, 中原秀樹*, 具栄作*, 栗栖茜*, 石塚慶次郎** |
Authors(kana) : | |
Organization : | *川口工業総合病院外科, **桜ケ丘中央病院 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 29 |
Number : | 11 |
Page : | 1805-1810 |
Year/Month : | 1981 / 11 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | じん肺による線維増殖性病変は非可逆性で有効な治療法はないが, 近年は適切な健康管理により長期生存者が増加し老人に多い食道癌を合併する症例が稀にみられるようになった. 食道癌手術後にじん肺の増悪する危険が考えられるがこの問題についての報告はほとんどない. 最近5年間にじん肺(第1型のじん肺像で動脈血ガスとAaDo2は正常)に合併した食道癌2例を経験してCO60照射後右開胸開腹食道切除術, 胸骨後食道胃吻合を行った. 症例1は63歳の男性でa1n3MoPlo, stage IV耐術後2ヵ月目に嚥下性肺炎で急死した. 症例2は67歳の男性でaonoMoPlo, stage I術後に肺水腫と肺膨張不全が発生したが軽快退院後3年目に脳出血で死亡した. 術後に肺感染症が発生すると回復困難な重大な合併症に進展することが特徴的であった. 延命効果の期待できない進行食道癌は姑息手術を選び, 根治可能と判断ができて肺機能障害の著明でない症例には術後の肺感染症の予防に努めるべきであると考えた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | じん肺, 食道癌, 肺合併症 |