Title : |
川崎病冠状動脈病変の手術早期遠隔期の成績-手術適応に関する考察- |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
竹内靖夫, 須磨幸蔵, 辻隆之, 井上健治, 城間賢二, 吉川哲夫, 成味純, 小山雄次, 金子秀実 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
東京女子医科大学第2病院循環器外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
29 |
Number : |
11 |
Page : |
1835-1839 |
Year/Month : |
1981 / 11 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
川崎病の冠状動脈病変に対して8例の大動脈冠状動脈バイパス手術を中心とした手術症例を経験した. 手術成績は全例良好で, 術後1ヵ月のグラフト造影では85%の開存率を示した. しかし術前後のEF, LVEDPからみた心機能には有意の変化はなかった. また症例によっては, 小児(平均7.8歳)の主要冠状動脈径の細さ(1mm以下)から, 完全冠血行再建の困難な症例もあった. 遠隔期(術後2~3年)のグラフト造影で術後1ヵ月で開存していた2本のグラフトが閉塞をきたしており, 術後3年1ヵ月で急死した症例の剖検所見では移植グラフトは著明な内膜の線維性肥厚をきたしていた. しかしその他のグラフトは良好な開存を示し, 機能していた. 以上の経験から現時点でわれわれは川崎病の冠状動脈病変に対する手術適応を以下のようにまとめてみた. 1. 手術適応は厳しくすべきであり, 次に示す細目のごとき重篤な冠状動脈病変を対象とする. a. 左冠状動脈主幹部狭窄 b. 左冠状動脈前下行枝近位部狭窄 c. 側副血行供給血管の重症狭窄 d. 重症三枝病変で, 心機能の良好なもの 2. 急性期を過ぎた冠状動脈瘤の破裂予防は原則として手術適応とはならない. 3. 吻合部血管径は1mm以上が望ましい. 4. 完全冠血行再建, および術後のグラフトの開存率の上昇を期すため, 可能なれば待機し, 運動量の増加が必要あるいは予測される前に手術を行う. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
川崎病, 川崎病冠状動脈病変, 冠状動脈瘤, 大動脈冠状動脈バイパス手術, グラフト開存率 |