アブストラクト(30巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左房粘液腫の3例
Subtitle : 症例
Authors : 麻田邦夫, 前田雅道, 西本孝, 岸田尚夫, 志熊粛, 高橋暢二郎, 武内純夫, 井上隆夫, 大関道麿, 佐々木進次郎, 武内敦郎
Authors(kana) :
Organization : 大阪医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 1
Page : 110-115
Year/Month : 1982 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 我々は現在までに3例の左房粘液腫を経験し, いずれも治癒せしめたので報告するとともに, 術前診断, 手術方法等につき考察を加えた. 症例は男性1例, 女性2例で, 全例術前に, 超音波法や心血管影にて腫瘍の存在を確認した. 手術は全例胸骨正中切開にて心臓に到達し, 体外循環下に大動脈遮断後, 1例はDubost法, 2例は右心房中隔切開で左房に達した. 腫瘍はいずれも心房中隔卵円窩に有茎性に付着しており, 付着部心房中隔とともに切除した. 腫瘍組織は心房中隔心内膜下層にのみとどまっていた. 僧帽弁逆流を認めた2例にその修復を加えた. 本症は放置されると重篤な障害を惹起するため, 早期診断早期手術が重要である. 左房粘液腫はまれな疾患であるが, 原発性心臓腫瘍の中では最も発生頻度の高い疾患である. 組織学的には一応良性の腫瘍であるがその大きさ, 位置などにより, 放置されると血行動態的に, あるいは腫瘍断片による塞栓症のために重篤な障害を惹起する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左房粘液腫, リアルタイム超音波心臓断層法, 心房中隔切除, 僧帽弁輪縫縮術
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