アブストラクト(30巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 一期的にentry, re-entryを閉鎖し得たDeBakey III型解離性大動脈瘤
Subtitle : 症例
Authors : 上山武史, 永井晃, 関雅博, 宮崎幹也, 山本恵一
Authors(kana) :
Organization : 富山医科薬科大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 30
Number : 1
Page : 127-131
Year/Month : 1982 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 解離性大動脈瘤は多くの形態があり, その手術法は一定していない. 本症はentryとre-entryの2つの破裂孔を持つことが多いが, 現在はentryを含めた動脈瘤様拡大部を切除し, 人工血管を置換する方法が一般的である. しかし, この際放置されたre-entryより仮性腔への血流の流入が残存することがしばしば見られる. 私どもは最近, 46歳, 男子のDeBakey III型解離性大動脈瘤に対し, 開胸下に鎖骨下動脈末梢より約6cmにわたり人工血管を置換, 末梢部をreinforceした. 次いで, 開腹下に腹腔動脈の側方にある1.5cmのre-entryを二重の直接縫合で閉鎖した. 術後造影では真腔は拡大し, 仮性腔は全く造影剤の侵入をみなかった. 解離性大動脈瘤に対する根治の考え方は種々あるが, 本例のごとくentry, re-entryの部位の明らかな例には, このように仮性腔は残すが全くの盲管にするのも一方法と思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 解離性大動脈瘤根治術, re-entry閉鎖, DeBakey III型解離性大動脈瘤
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