アブストラクト(30巻2号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 収縮性心膜炎の術前, 術後の血行動態 |
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Subtitle : | 原著 |
Authors : | 近江三喜男, 浜田幸男, 阿部康之, 香川謙, 堀内藤吾 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 東北大学医学部胸部外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 30 |
Number : | 2 |
Page : | 194-199 |
Year/Month : | 1982 / 2 |
Article : | 原著 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 昭和50年から昭和55年の間に教室で行われた収縮性心膜炎に対する心膜切除術の10例を対象とし, 運動負荷を含む心カテーテルを行い術前, 術後早期, 術後遠隔期の血行動態の比較を行った. 手術は全例において胸骨正中切開法による左右の横隔膜神経の間の病的心膜を切除する方法をとったが, 手術々式が術後血行動態に及ぼす影響を中心に検索し以下の結論を得た. 1. 胸骨正中切開法による心膜切除術で, ほぼ満足できる手術効果を得ることができた. これは, RA, RVEDPの下降で示される右心系の拡張障害の解除によると考えられた. 2. 左室の収縮能(EF, mean Vcf)は術前, 術後とも良好であった. 3. 術後遠隔期においてもPAW, LVEDPが異常高値を示し, complianceが低値に留ったことは, 左室後面に残存する病的心膜に原因があると考えられた. 4. 運動負荷を行うと, 術後遠隔期においても左室予備力の低下している症例が多くみられることは, 症例によっては左開胸法を用いた左室後面の充分な心膜切除の必要性も考慮する必要があろう. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 収縮性心膜炎, 胸骨正中切開法, 左室機能, 残存心膜 |