Title : |
完全大血管転位症の術後遠隔期における肺高血圧に対するNitroglycerin投与の検討 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
岩波洋, 山口繁, 中島昌道, 会田博, 坂本滋, 安西吉行, 渡辺和朗 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
金沢医科大学第1外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
30 |
Number : |
3 |
Page : |
405-411 |
Year/Month : |
1982 / 3 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
大血管転位症(TGA)の根治手術後, 遠隔期に肺血管の閉塞性病変の進展例や, それにより死亡した例の報告が相次いでいる. われわれは, TGA I群でMustard手術後, 遠隔期に肺高血圧と心不全を来した2例にカテーテル検査と心血管造影を行ってみた. 結果は肺静脈狭窄や閉塞などに起因しない肺血管病変の進行によると思われた. この2例に血管拡張剤の1種である静注用Nitroglycerin(NG)のdrippingを行ってみた. 1例は術後2年を経過した女児である. NGを13~14.3μg/kg/分drippingしたところ機能的右室収縮期圧(この場合, 肺動脈収縮期圧もほぼ同圧と考えられる)は, dripping前の130mmHgから107~113mmHgと下降したが, 血圧と心拍数はほぼ不変であった. また, 肝臓は著明に縮少した. この結果から, この症例の肺高血圧は可逆性であり, 肺血管床の攣縮が一部関与し, NGがこれに有効に作用したと考えられた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
完全大血管転位症, 遠隔期の肺高血圧, 肺血管の閉塞性病変の進展, 血管拡張剤, Nitroglycerinのdripping |