Authors : |
河内寛治*, 北村惣一郎*, 前田世礼, 川島康生, 酒井敬**, 谷口和博**, 佐藤秀幸**, 南野隆三**, 扇谷信久**, 福井須賀夫** |
Abstract : |
急性心筋梗塞後の心室中隔穿孔に対し, 早期手術を施行し, 救命した. 症例は79歳, 女性で, 心電図上, 前壁中隔梗塞を呈し, スワンガンツカテーテル検査により, 左─右短絡を認め, 心室中隔穿孔と診断した. 一般状態の悪化を認めたために梗塞後3日目にintraaortic balloon pumping(IABP)を使用した. 一時, 改善を認めたが, 徐々に悪化傾向にあるために, 心筋梗塞発症後8日目, 心室中隔穿孔発生後7日目, IABP使用後5日目に緊急手術を施行した. 手術は左室梗塞部を切開し, 左室壁は脆弱なために強固な壁構造を示す部位まで切除した. 心尖近位部に2ヵ所の中隔穿孔(2×1cm, 0.5×0.5cm)を認めた. 中隔梗塞部を半楕円形に切除し, 5×3cmのテフロンパッチによるsingle patch閉鎖及び梗塞切除術を施行した. IABPは術後5日目に不必要となり, 術後16日目には歩行可能となり, 術後, 約2ヵ月後に軽快退院した. |