アブストラクト(37巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 脳血管疾患を合併する虚血性心疾患の外科治療-手術適応と手術成績-
Subtitle : 原著
Authors : 鬼頭義次, 小原邦義, 川副浩平, 小坂井嘉夫, 藤田毅
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 8
Page : 1465-1468
Year/Month : 1989 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 虚血性心疾患(IHD)に脳血管疾患(CVD)が合併すればその治療方針の選択が重要な問題である. IHDに対する手術を先行すれば脳卒中などの合併症を, CVDに対する手術を先行すれば心筋梗塞を起こす危険性を有する. そこで, 単独冠動脈バイパス術632例中, CVDの既往を有する症例(A群)77例と非既往例(B群)555例を対象として, IHDとCVDが共に手術適応を有する場合は原則的にCVDに対する手術を先行した. しかし, 心脳虚血がともに切迫する症例には, IABP施行下に脳血行再建術を行い, 心筋虚血の症状が安定するのを待ち, 2期的に冠血行再建術を施行した. 手術死亡率及び遠隔死亡率はA群, B群で各々7.8%, 5.2%及び6.4%, 3.6%で手術死亡率には両群間に有意差を認めなかったが遠隔期死亡率はA群に比較してB群で有意に低値であった. 脳卒中の術後合併頻度についてみると手術近接期ではA群5.2%, B群1.3%, 遠隔期では各々18.2%, 3.6%でA群がB群に比較して有意に高値であった. 遠隔期生存率は両群間に有意差を認めなかった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 脳血管疾患, 冠動脈疾患, 冠動脈バイパス術, ST-MC吻合術
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