アブストラクト(38巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺縦隔悪性腫瘍に対するリング付きGore-Texを用いた上大静脈置換症例の検討
Subtitle : 原著
Authors : 中原数也, 大野喜代志, 松村晃秀, 水田隆俊, 明石章則, 中川勝裕, 松田暉, 中埜粛, 白倉良太, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 1
Page : 66-71
Year/Month : 1990 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 上大静脈(VCS)浸潤肺癌5例(扁平上皮癌2例, 腺扁平上皮癌, 腺癌, 大細胞癌各1例)と浸潤性縦隔腫瘍5例(胸腺腫3例, 睾丸絨毛上皮腫の縦隔リンパ節転移, non-Hodgkinリンパ腫各1例)に対して, 腫瘍の完全切除を意図して, VCS系を切除再建した. 再建には全例リング付きGore-Tex(10~16mm径, 4.2~10.5cm長)を用いた. 肺癌症例では右スリーブ全摘を3例に, 右上葉スリーブ切除を1例に, 気管7軟骨輪切除端端吻合術を1例に併せ行った. 5例中3例では術後化学療法, 放射線療法を行った. 1例では術前cDDP, VP-16, Ifosfamideによる化学療法により腫瘍が約50%縮小した時点で手術をした. 5例中1例は36月の現在非担癌生存中である. 縦隔腫瘍症例の内, 胸腺腫は腫瘍摘出後, 放射線治療を行った. 他の2例は術前骨髄移植下にtotal tumor cell killを意図して化学療法, 放射線治療を施行後, 遺残腫瘍の完全摘出を行った. 胸腺腫の1例と睾丸絨毛上皮腫縦隔転移症例は再発で死亡したが, 3例は12~43月非担癌で生存中である. リング付きGore-Tex人工血管を使用することによりVCS浸潤肺縦隔悪性腫瘍の手術適応は拡大されたが, 今後はneoadjuvant therapyにおけるこのような拡大手術の意義を検討する必要がある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺癌, 縦隔腫瘍, 上大静脈, リング付きGore-Tex人工血管
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