アブストラクト(38巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 両側内胸動脈を用いて冠血行再建術を施行した全身性エリテマトーデスの1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 坂本滋, 清水健, 金戸善之, 豊田恒良, 笹木秀幹, 湯浅幸吉
Authors(kana) :
Organization : 金沢医科大学胸部心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 1
Page : 116-120
Year/Month : 1990 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 10年間, SLEでステロイド剤の投与を受けていた40歳のLMT病変を伴う3枝病変に対して, 両側内胸動脈を用いてRCAの右室枝とLADのNo.7に冠血行再建術を施行した. 術後, 一時ステロイド剤のwithdrawal syndromeあるいはSLEのrebound phenomenonを併発し, ショック状態となったが, ステロイド剤のpulse療法で回復し, 以後は順調に経過した. 術中の遊離グラフト流量は良好であったが, 内胸動脈の病理組織で右内胸動脈に内腔50%の狭窄所見を認めた. 術後2カ月目の冠動脈造影では両側内胸動脈は開存し, 現在のところ狭心症の症状は認めていない. SLEの冠動脈病変に冠血行再建術を施行した報告は少なく, 本症例におけるステロイド剤の関与, 外科治療の問題点につき報告する. 全身性エリテマトーデス(SLE)の予後は, ステロイド治療により著しく改善してきた1). このため長期経過観察症例が増加し, 狭心症や心筋梗塞などの冠動脈病変の報告も増加してきている2)~4).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : SLE, LMT病変, 冠血行再建術, 内胸動脈, ステロイド治療
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