アブストラクト(38巻1号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 馬尾部及び上肢の多発神経鞘腫を伴った胸郭内神経鞘腫の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 岡田信一郎, 藤村重文, 今井督, 稲葉浩久, 小林俊介, 仲田祐 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 東北大学抗酸菌病研究所外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 38 |
Number : | 1 |
Page : | 121-125 |
Year/Month : | 1990 / 1 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 馬尾部及び左上肢の多発神経鞘腫を伴った胸郭内神経鞘腫の1手術例を経験した. 症例は64歳の男性で, 集団検診で胸部X線上異常陰影を指摘され入院した. 術前の諸検査で確定診断が得られず, 胸郭内良性腫瘍の診断のもとに手術を施行した. 腫瘍は第1胸神経前枝より発生していると思われ, 同神経を切断し腫瘍を摘出した. 病理組織所見よりAntoni A型とAntoni B型とが混在する神経鞘腫と診断した. 術後穿刺生検した馬尾部と左上腕の皮下腫瘤も同様の組織像を示した. 後に両腫瘍を摘出した. 術後経過は良好で自覚症状もなく術後1カ月で退院した. 本腫瘍に対しては, 異時性に再発, 多発及び悪性化がみられる場合があり, 完全摘除並びに慎重な経過観察をすべきものと考える. 胸部神経原性腫瘍は, 大部分は縦隔, 特に後縦隔に好発する腫瘍である. 神経原性腫瘍は, 神経鞘腫, 神経線維腫, 神経節細胞腫, 神経節芽細胞腫, 神経芽細胞腫などに分類され, 本邦では神経鞘腫が最も多い1). |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 神経原性腫瘍, 多発神経鞘腫 |