アブストラクト(38巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 冠動脈バイパス術におけるfree arterial graftの経験
Subtitle : 症例
Authors : 須磨久善*, 奥孝彦, 佐藤晴瑞, 小池龍, 澤田吉英, 武内敦郎
Authors(kana) :
Organization : 大阪医科大学胸部外科, *三井記念病院循環器センター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 1
Page : 140-145
Year/Month : 1990 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1985年4月から1988年11月までの44カ月間に内胸動脈(IMA), 胃大網動脈(GEA)によるfree arterial graft(FAG)を用いた冠動脈バイパス術を10例に施行した. 男性6例, 女性4例, 平均年齢60.8歳で, FAGとしてIMAを8例, GEAを2例に用いた. FAGの遠位側吻合部位は前下行枝3, 対角枝3, 回旋枝4で, 近位側吻合部位は上行大動脈1, 大伏在静脈グラフト5, IMAグラフト4であった. 併用したグラフトは大伏在静脈グラフト6, in situ IMA 4, in situ GEA 1で, 平均バイパス数は2.9(2~5), 平均大動脈遮断時間は56.2分(16分~90分)であった. 死亡例はなく, 術中心筋梗塞, IABP使用例もなかった. 9例に術後3カ月以内に造影を行い, FAG9本中8本(89%)の開存を認めた. 少数の経験ではあるが, FAGが冠動脈バイパス術における有用なグラフトであり, その使用が動脈グラフトを用いた冠動脈バイパス術の発展に寄与するものと考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈バイパス術, 内胸動脈グラフト, 胃大網動脈グラフト, free arterial graft, 虚血性心疾患
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