アブストラクト(38巻1号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 鈍的外傷による右主気管支完全断裂に対し再気管支形成術を施行した1例-鈍的気管支損傷の再気管支形成術- |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 小泉潔, 庄司佑, 田中茂夫, 小坂真一, 塩田晶彦, 益子邦洋* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 日本医科大学胸部外科, *日本医科大学救命救急センター |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 38 |
Number : | 1 |
Page : | 165-170 |
Year/Month : | 1990 / 1 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は22歳男性で, オートバイを運転中乗用車に衝突し前胸壁を強打した. 高度の両側頸部から鼠径部に及ぶ皮下気腫を伴う呼吸困難を呈し救急入院. 胸部X線写真, 気管支ファイバースコープにて胸腔内右主気管支断裂と診断, 緊急気管支形成術を施行した. 術後3カ月目より, 気管軟骨輪の変形を伴う吻合部瘢痕性狭窄を呈してきたため, 7カ月後再手術を施行した. 軟骨輪の変形を伴う瘢痕性狭窄が気管右側壁から気管分岐部, 右上葉支口にまで及んでいたため, 気管分岐部軟骨を含む右上葉管状切除術を施行した. 術後, 右肺の換気再開と共に肺水腫, 肺炎, 敗血症に続いて限局性膿胸を併発したが, 薬物治療と胸腔ドレナージ治療にて治癒した. 今回, 複雑な気管・気管支軟骨の変形を伴った緊急気管支再建術後瘢痕性狭窄に対し, 再再建術を施行し良好な結果を得た. しかしながら本症例では, 気管支再建術後急性期に, 長期間の気管支狭窄が誘因と考えられた肺水腫様変化に伴う肺炎を発症した. これらに関し文献的考察を加えて報告した. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 外傷性気管支断裂, 瘢痕性狭窄, 再気管支形成術, 肺水腫, 術後肺炎 |