Abstract : |
1984年2月から1988年9月までに, 先天性大動脈狭窄症18例(年齢2歳~20歳, 平均10歳)に, Konno法を施行した. 手術死亡はなく, 遠隔期死亡1例(5.6%)である. 狭窄部は, 弁性11例, 弁性及び弁下6例, 弁下1例であった. 弁輪径は9mmから23mm(15±4mm, m±SD)で, 使用した人工弁(SJM弁)のサイズは21mmが1例, 23mmが8例, 25mmが9例であった. 術前のシネアンギオグラフィーから求めた左室駆出率(LVEF)は77±9%(n=16)で, 16例中8例が80%以上の高い駆出率を示した. RI心プールシンチグラフィー法を用いて, 術前8例, 術後15例(術後2週間~2年8カ月, 平均6.7カ月)の安静時LVEFと術前3例, 術後6例の運動負荷時LVEFを求め比較検討した. 術前の安静時LVEFは81±10%, 術後の安静時LVEFは75±9%で, 術前術後とも正常群(62±7%)より有意に高いLVEFを示し, 術前後で有意差を認めなかったが, 正常値以上の高いLVEFが術後に正常化する傾向を認めた. 運動負荷により, 術前のLVEFは異常反応を示したが, 術後は, LVEFが有意に増加する症例が認められた. 今回の結果から, Konno法術後の左室機能は良好であり, 左室後負荷の軽減により左室機能に改善の見られることが示唆された. また, Konno法の手術及び遠隔成績は良好であり, Konno法は安全に行える術式である. |