アブストラクト(38巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道癌術後肺合併症に関するrisk factorの検討-多変量統計解析法による分析-
Subtitle : 原著
Authors : 豊泉惣一郎, 碓井貞仁, 坂本昭雄, 高石聡, 山崎一馬, 川村功, 奥山和明, 小野田昌一, 磯野可一
Authors(kana) :
Organization : 千葉大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 2
Page : 215-221
Year/Month : 1990 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道癌術後合併症のrisk factorにつき切除症例91例を対象として検討した. 肺合併症のrisk factorは術前から術後にかけて多岐にわたっており, 個々のfactorの検討から患者の術後経過を予測することは困難であり幾つかの因子を同時に解析し, 総合的に評価することが必要と思われる. そこで術前から術直後までの期間におけるrisk factor20項目を比較検討した結果, 肺合併症発生群と非発生群の間で術前因子としては年齢, PSP 15分値, 術中因子としては開胸時間の平均値で有意差(p<0.05)が認められた. 術前肺機能検査では気道閉塞及び呼吸筋力を反映する中間最大呼気流量(MMF), 一秒量(FEV1.0)で術後肺合併症に対する相関が高かった. 一方20項目のrisk factor中より, 肺合併症発生と相関の高い6項目を多変量解析中の数量化II類により選出して肺合併症予測のためのrisk score(=2.0(年齢)+1.0(FVC)+0.7(MMF)+2.5(PSP 15’)+1.8(開胸時間)+1.7(術直後respiratory index))を作成した結果score5.0以上で80%以上の患者に肺合併症を認めた. 更にこのrisk score作成後に施行した食道癌切除症例21例についてrisk scoreと肺合併症の検討を行ったところ同様の傾向を示し, このrisk scoreの信頼性が検証された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道癌, 肺合併症, risk factor, 多変量統計解析法, 数量化II類
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