アブストラクト(38巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心室中隔欠損を伴う大動脈弓離断症の修復術後に進行した大動脈狭窄に対する今野法2例の経験
Subtitle : 症例
Authors : 寺田正次, 今井康晴, 黒澤博身, 藤原直, 松尾浩三, 里見元義*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科, *東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 2
Page : 284-288
Year/Month : 1990 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心室中隔欠損を伴う大動脈弓離断症の修復術後に進行した2例の大動脈狭窄症に対し, 今野法を施行した. 症例は8歳と7歳の男児で, 何れも乳児期早期に大動脈弓再建と心室中隔欠損閉鎖術が施行されている. 2症例とも大動脈弁は2尖弁で, 高度な弁下部狭窄を合併し, 大動脈弁輪径は各々15mmと16mm, 左室大動脈間収縮期圧較差は110mmHgと105mmHgであった. 23mm, 25mmのサイズのSJM弁を用いて今野法を施行した. 術後経過は極めて良好である. 心室中隔欠損を伴う大動脈弓離断症は, 高率に左室流出路狭窄を合併し, 今回の症例のように修復術後数年の経過で左室流出路狭窄が進行してくる症例もあり, 慎重な経過観察が必要である. また, 弁輪径の小さな大動脈弁狭窄及び弁下狭窄を合併した症例に対し, 今野法は極めて有効な, 且つ安全な手術法である. 心室中隔欠損(VSD)を伴う大動脈弓離断症(Inter-rupted aortic arch, IAA)は大動脈縮窄症と同様に, 左室流出路狭窄をしばしば合併する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈弓離断症, 大動脈狭窄, 今野法
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