アブストラクト(38巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心室中隔欠損閉鎖術後のpatch dehiscenceにより高度の溶血を来した乳児症例
Subtitle : 症例
Authors : 貞弘光章, 羽根田潔, 井口篤志, 八巻重雄, 毛利平
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 2
Page : 294-297
Year/Month : 1990 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 生後2カ月のVSD, PHの症例にVSDパッチ閉鎖術を行ったが, 術後に高度のヘモグロビン尿と貧血が続いた. patch dehiscenceによる遺残短絡の存在と血液像での破砕赤血球の所見から機械的溶血を考え再手術を施行したが, その直後からヘモグロビン尿は消失した. 乱流により赤血球に加わるsheer stress, 又は赤血球が血管内人工材質と接触することが血球損傷の原因とされているが, 背景に逆流や遺残短絡などの外科的な問題があれぽ積極的に再手術を行うべきである. 先天性心疾患で根治手術後の機械的溶血性貧血の報告は少ないが, 一次口心房中隔欠損症1)~4), 総動脈幹症5), 肺動脈弁狭窄を合併した心室中隔欠損症6), 両大血管右室起始症7)等の術後症例での報告がある. われわれは心室中隔欠損(VSD)パッチ閉鎖術後に機械的溶血のため高度の溶血とヘモグロビン尿を来した乳児例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : ヘモグロビン尿, 機械的溶血, 心室中隔欠損症, パッチ閉鎖術
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