アブストラクト(38巻2号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 僧帽弁後尖の穿孔による僧帽弁閉鎖不全症の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 土田博光, 平山哲三, 山口寛, 石丸新, 古川欽一, 高橋雅俊 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 東京医科大学外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 38 |
Number : | 2 |
Page : | 303-306 |
Year/Month : | 1990 / 2 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 僧帽弁後尖の穿孔に起因する僧帽弁閉鎖不全症(MR)の1例を報告する. 患者は48歳の男性で, 左心不全症状を呈し入院した. 僧帽弁領域に最強点を有する全収縮期雑音を聴取し, 左室造影でSellersII~III度のMRを認めた. 手術にて僧帽弁を観察すると後尖の後交連よりに約8×3mmの紡錘形の穿孔を認めた. 穿孔部周囲はスムースで, 弁の可動性もよく, vegetationや石灰化は認められなかった. 弁形成術を施行し穿孔部を閉鎖した. 術後3年を経過しているが, 経過は良好である. 本症例の弁穿孔の原因は不明であるが, 後天的なものと考えられる. 僧帽弁の穿孔のみに起因するMRは, 極めてまれなものである. 病因及び診断上の問題等について考察した. 僧帽弁弁尖の穿孔のみに起因する僧帽弁閉鎖不全症(MR)は極めてまれであり, 本邦報告例でも数例が散見されるにすぎない. われわれは僧帽弁後尖の穿孔に起因するMR症例を経験し, 僧帽弁形成術により良好な経過をみたので, 文献的考察を加えて報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 僧帽弁穿孔, 僧帽弁閉鎖不全症, 僧帽弁形成術 |