アブストラクト(38巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈縮窄, 離断に対する"extended" direct anastomosis
Subtitle : 原著
Authors : 岸本英文1), 八木原俊克1), 磯部文隆1), 山本文雄1), 西垣恭一1), 黒田秀雄1), 藤田毅1), 新垣義夫2), 高橋長裕2), 神谷哲郎2)
Authors(kana) :
Organization : 1)国立循環器病センター心臓血管外科, 2)国立循環器病センター小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 3
Page : 377-382
Year/Month : 1990 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 縮窄部及び動脈管を切除し, 大動脈弓と下行大動脈を直接吻合する"extended" direct anastomosisを, 1986年3月から1988年5月までの間に大動脈縮窄(CoA)5例, 大動脈離断(IAA)3例に行った. 合併心奇形は心室中隔欠損+動脈管開存4例, 複雑心奇形4例で, うち3例は大動脈弓の低形成を伴う症例であった. 手術時年齢は, 4日~41日が7例, 7ヵ月が1例であった. 術直後に測定した上下肢の圧較差は0~10mmHg(平均4mmHg)で, 大動脈の遮断時間は19~54分(平均41分)であった. 手術死亡はなく, 術後に脳神経障害や腎不全の発生も無かったが, 肺出血が3例に, 術後出血が1例に見られた. 5例に術後2ヵ月~1年3ヵ月に心臓カテーテル検査及び心血管造影検査を行ったが, 再建部の圧較差は0~7mmHg(平均3mmHg)で, 形態的にも満足すべきものであった. 超音波Doppler法により求めた大動脈再建部の最大流速は, 1.2~2.5m/sec(平均1.7m/sec)で, 大動脈弓の低形成を伴う症例においてもほぼ満足すべき結果であった. 本術式では鎖骨下動脈が温存されることに加え, 動脈管の組織が残存しないためより完全な狭窄解除が可能であり, IAA例や, 大動脈弓の低形成を伴うCoA例に対しても良好な結果が得られた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈縮窄, 大動脈離断, "Extended" direct anastomosis, 大動脈弓低形成, 超音波Doppler法
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