アブストラクト(38巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 化学療法併用による縦隔原発卵黄嚢腫瘍の手術経験
Subtitle : 症例
Authors : 岡田信一郎, 藤村重文, 稲葉浩久, 小林俊介, 仲田祐
Authors(kana) :
Organization : 東北大学抗酸菌病研究所外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 3
Page : 493-498
Year/Month : 1990 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 急速に増大した前縦隔原発卵黄嚢腫瘍に対して, 化学療法を施行後全摘術を行い良好な結果が得られたので報告した. 症例は28歳男性. 感冒様症状が持続するようになり, 某病院を受診し胸部異常陰影を指摘され, 縦隔腫瘍疑いの診断にて当院を紹介された. 胸部X線写真で前縦隔に境界明瞭な腫瘤陰影が認められ, 検査所見ではα-Fetoprotein(AFP)が6,400ng/mlと高値を示した. 経皮的生検にて卵黄嚢腫瘍の診断を得た. 入院後腫瘍は急速に増大し, 前胸壁や肺への浸潤が疑われると共にAFPも11,000ng/mlまで上昇した. CisplatinとEtoposideによる化学療法を2クール施行後, 腫瘍の縮小と共にAFPも正常に復した. 胸骨縦切開にて全摘出を施行した. 腫瘍は, 胸腺左葉原発と考えられ, 左肺に一部浸潤しているのみであった. 術後6ヵ月の現在健在である. 本腫瘍の治療に際しては, AFPなどの腫瘍マーカーの経時的変化をみながら, 適切な化学療法と外科療法との併用が肝要であると考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔原発卵黄嚢腫瘍, 外科療法, 化学療法
このページの一番上へ