アブストラクト(38巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 感染性心内膜炎による僧帽弁閉鎖不全症を合併したWPW症候群の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 末田泰二郎1), 中島康1), 浜中喜晴1), 石原浩1), 松浦雄一郎1), 磯部文隆2)
Authors(kana) :
Organization : 1)広島大学医学部第1外科, 2)国立循環器病センター心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 3
Page : 508-512
Year/Month : 1990 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 感染性心内膜炎による僧帽弁閉鎖不全症を合併したWPW症候群に対し後尖温存した弁置換術と副伝導路切断術を一期的に施行し良好な結果を得た. 症例は56歳女性で心房細動と心不全にて入院. 電気生理学検査にて左房後壁に副伝導路を認め, A-H時間の短縮よりJames束の存在も疑った. 僧帽弁は弁輪の拡大と前尖の逸脱を認め, MRIV度であった. 手術は, 左房後壁後室間溝側の副伝導路切断と冷凍凝固を行った. 僧帽弁は前尖の穿孔と後尖の腱索断裂を認め, まず弁形成術を施行したが逆流が残存したため, 後尖を温存した弁置換術(SJM弁29mm)を施行した. 術後は洞整脈に復し, 電気生理学検査にて副伝導路は切断されており, 僧帽弁の逆流も消失し, 心不全の改善を得た. WPW症候群に対する外科治療はSealy, 岩らにより開始されて以来1)2), 不整脈患者に対する一般的な治療法として行われている. しかし弁膜症合併例との同時手術の報告はまれで, 特に感染性心内膜炎による僧帽弁閉鎖不全症との一期的手術の報告は本例が本邦初報告と思われるので若干の検討を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : WPW症候群, 僧帽弁閉鎖不全症, 感染性心内膜炎, 副伝導路切断術, 同時手術
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