アブストラクト(38巻3号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | Darling分類Ib型総肺静脈還流異常症に対するVargas法による1治験例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 鶴原由一, 角秀秋, 中野英一, 米永國宏, 安井久喬 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 福岡市立こども病院心臓外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 38 |
Number : | 3 |
Page : | 523-527 |
Year/Month : | 1990 / 3 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 生後50日の総肺静脈還流異常症Darling分類Ib型症例に対し, Vargas法による根治術を行った. 肺静脈は左右別々に上大静脈に還流していた. Vargas法に従い, まず右記にJ字型縦切開を加え, そのposterior flapを拡大したASDの前縁に縫着し, 肺静脈の還流路を形成した. 次に上大静脈を肺静脈還流部直上で切断し, その遠位端と右心耳とを吻合し, 右房切開部を閉鎖して体静脈の還流路を形成した. しかし, 肺高血圧が残存していたため, 左右の肺静脈と左房との側々吻合を追加した. 術後8ヵ月で吻合部狭窄を来し, 再手術を施行したが, その後の経過は良好である. Vargas法の適応と遠隔期の問題点について考察を加え, 報告する. 総肺静脈還流異常症(TAPVD)上心臓型のうち, 左右肺静脈が上大静脈や奇静脈に還流するDarling分類Ib型は比較的まれな心奇形であり, その手術成績は現在も不良である. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 総肺静脈還流異常症, Darling分類Ib型, Vargas法 |