Title : |
新生児・乳児総肺静脈還流異常症の外科治療-肺静脈吻合部狭窄と遠隔期成績- |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
安藤廣美1), 安井久喬1), 角秀秋1), 米永國宏1), 秦恒彦2), 岩尾初雄3), 砂川博史4), 本田悳4) |
Authors(kana) : |
|
Organization : |
1)福岡市立こども病院感染症センター心臓血管外科, 2)福岡市立こども病院感染症センター麻酔科, 3)福岡市立こども病院感染症センター新生児科, 4)福岡市立こども病院感染症センター循環器内科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
38 |
Number : |
4 |
Page : |
618-624 |
Year/Month : |
1990 / 4 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
1980年10月から1987年6月までに新生児・乳児総肺静脈還流異常症(TAPVC)38例に外科治療を行い, 手術死亡は5例(13%)であった. 肺静脈吻合部狭窄(PVOA:pulmonary venous obstruction at the site of anastomosis)を3例に認め, 2例が遠隔死した. PVOA防止のため手術法を工夫改良してきたが, その結果をDarling分類I, III型22例について検討した. 共通肺静脈-左房吻合術式別にI群:過大吻合口・全周連続縫合(n=10), II群:適正吻合口・連続縫合(n=4), III群:適正吻合口・全周結節縫合(n=8)に分類した. PVOA合併は手術死1例を除くI群9例中3例(33%)の発生頻度であったがII, III群では認めなかった. 遠隔死は2例ともI群症例であった. またI, II群の両者とIII群間の比較では, 体外循環時間はそれぞれ131分, 106分, 大動脈遮断時間は91分, 74分であり全周結節縫合に伴う手術時間の延長は認めなかった. 以上より, TAPVCの外科治療においてPVOAは本症の遠隔成績向上を左右する極めて重要な因子の一つであり, 肺静脈に切り込まぬ吻合口作製と全周結節縫合による共通肺静脈-左房吻合法は有用なPVOA防止法と考えられた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
総肺静脈還流異常症, 肺静脈吻合部狭窄, 遺残肺高血圧, 全周結節縫合 |