アブストラクト(38巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心内膜心筋線維症の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 横山基幹1), 山田崇之1), 中原秀樹1), 大島永久1), 田辺貞雄1), 羽里信種2)
Authors(kana) :
Organization : 1)獨協医科大学越谷病院心臓血管外科, 2)越谷市立病院循環器内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 4
Page : 641-646
Year/Month : 1990 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は66歳, 男性. 約20年前より原因不明の心筋障害, 心肥大を指摘されており, 昭和59年頃より動悸, 息切れが出現. 超音波検査にて左室内の石灰化を伴った腫瘤エコーを指摘され入院した. 造影検査での心尖部から流入路にかけての左室腔閉塞所見, シンチグラムでの左室心尖部を中心とした, び漫性のRI集積像等から左室腫瘍と診断し, 左室左房両経路から腫瘤切除, 僧帽弁置換術を施行した. 病理所見では, 本邦には極めてまれな, 拘束型心筋症の一種である心内心膜筋線維症であった. 残念ながら患者は術後2年目に心不全及び消化器感染症のため遠隔死したが自験例は左心室心内膜心筋線維症に対する本邦初手術例であり, 本症の診断, 手術の問題点につき検討した. 心内膜心筋線維症はアフリカ, 南米, アジアなどに多発し, Loffler心内膜炎, 好酸球性心内膜心筋疾患との関連が示唆されているが, その成因はいまだ不明な進行性の拘束型心筋症である1)2).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心内膜心筋線維症, 心内膜心筋切除術, 僧帽弁置換術, 拘束型心筋症
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