Abstract : |
症例1は35歳男性. 咳嗽血痰を主訴とし, 左上肺野に6×5cmの境界明瞭, 内部均一な腫瘤影が認められ, 腫瘤核出術を施行したが6ヵ月後再発死亡した. 症例2は55歳男性. 胸部異常陰影を主訴とし, 左壁側胸膜に5×4cmの有茎性腫瘤を形成し切除した. 術後2年目に左壁側胸膜に再発し再度切除した. 初回術後9年現在生存中である. 症例3は62歳男性. 左胸痛を主訴とし, 左壁側胸膜に, 肋骨を含む胸壁, 肺, 心膜に浸潤する多発性の腫瘤を形成し, 胸壁, 胸膜, 心膜及び肺の部分切除を行ったが, 術後8ヵ月目に再発死亡した. 症例4は49歳男性. 胸部異常陰影を主訴とし, 左肺門部に主肺動脈を完全閉塞する腫瘤を形成し, 左肺剔除を行った. 術後2年現在生存中である. 以上, 胸腔内原発MFHの4症例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告した. Malignant fibrous histiocytoma(MFH)は, 四肢の軟部組織に好発する非上皮性の悪性腫瘍であるが, 胸腔内に原発することはまれである. 今回著者らは, 胸腔内に発生したMalignant fibrous histiocytomaの4症例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. |