アブストラクト(38巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左冠動脈入口部狭窄, 大動脈弁逆流を合併した大動脈炎症候群の1例
Subtitle : 症例
Authors : 加藤智栄, 新井悟, 小泉誠二
Authors(kana) :
Organization : 八戸市立市民病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 4
Page : 667-671
Year/Month : 1990 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は呼吸困難, 狭心痛を主訴とする23歳の女性で, 入院時炎症反応陽性, 冠動脈造影で左冠動脈入口部の高度狭窄があり, 大動脈造影でIII度の大動脈弁逆流と左総頸動脈閉塞, 腹部大動脈狭窄, 左腎動脈血窄, 下腸間膜動脈閉塞を認めた. ステロイド治療を行い炎症反応改善期に左冠動脈入口部のTransaortic endarterectomyと大動脈弁置換術を行い, 良好な結果を得た. 上行大動脈壁は全体に硬く肥厚し, 将来の炎症の再燃, 進展を考えると大伏在静脈や内胸動脈による冠血行再建術は長期開存に問題があり, Transaortic endarterectomyが優れた方法と思われる. 大動脈弁置換に際し人工弁離脱防止のため弁輪深くTeflon Felt付きmattress縫合を行い, 無冠尖弁輪部では人工弁弁座から弁輪部, 大動脈壁外へと糸針を進め大動脈の外で結紮する方法をとった. 大動脈炎症候群に冠動脈病変や大動脈弁逆流(以下, AR)を合併する率は少なくなく, 近年それらに対する外科治療の報告が増えている1)~9).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈入口部狭窄, 大動脈弁逆流, 大動脈炎症候群, 大動脈弁置換術, Transaortic endarterectomy
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