アブストラクト(38巻4号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 迷走神経肺臓枝を伴った成人の先天性食道気管支瘻の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 伊達洋至, 清水信義, 三竿貴彦, 名和清人, 寺本滋 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 岡山大学医学部第2外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 38 |
Number : | 4 |
Page : | 677-680 |
Year/Month : | 1990 / 4 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 73歳女性のBraimbridge II型先天性食道気管支瘻の1手術例を経験した. 幼少時より呼吸器感染を繰り返しており, 3~4年前から食事中の咳嗽発作を訴えるようになったため来院した. 食道造影などの術前検査から, 胸部中部食道と右B6気管支との食道気管支瘻と診断した. 手術時, 瘻管周辺には炎症所見やリンパ節腫大は認められず, 迷走神経本幹から分枝し瘻管に添って肺に至る迷走神経肺臓枝を認めた. 瘻管切除と右肺下葉切除を施行した. 組織学的には, 重層扁平上皮より線毛円柱上皮への連続的な移行と, 粘膜下には固有筋層を認め, 先天性食道気管支瘻と診断された. 成人の食道気管支瘻を先天性と後天性に鑑別することはしばしば困難であるが, 瘻管に添う迷走神経肺臓枝を認めたことは先天性であることの確証と思われる. 成人の先天性食道気管支瘻は比較的まれな疾患であり, 後天性のものとの厳密な鑑別はしばしば困難である. われわれは, 術中に瘻官に添う迷走神経肺臓枝を確認し, 先天性であることを確証し得た1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 先天性食道気管支瘻, Braimbridge分類 |