アブストラクト(38巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : DeBakey II型解離性大動脈瘤に対しopen distal anastomosisを用いた2症例の検討
Subtitle : 症例
Authors : 加瀬川均1), 中川康次2), 増田政久2), 古川斉2), 椎原秀茂2), 奥井勝二2)
Authors(kana) :
Organization : 1)千葉市立海浜病院心臓血管外科, 2)千葉大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 4
Page : 707-711
Year/Month : 1990 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : DeBakey II型解離性大動脈瘤は解離や瘤状変化が大動脈弓部にまで及ぶことが多いため, 上行や弓部を遮断して行う従来の術式には問題がある. 弓部大動脈再建術に対して行われるopen distal anastomosis法は遮断に伴う内膜損傷も無く弓部内膜を確認して確実に健常と思われる部分で吻合出来るため, 本法の適応を拡大し, DeBakey II型解離の2例に対し本法を用いた手術を施行し良好な結果を得た. 症例1は69歳女性, 上行大動脈にエントリーを有しARを伴う最大径70mmの瘤で, 末梢側吻合は腕頭動脈直下で行った. 症例2は70歳女性, エントリーは上行大動脈中央部にあったが弓部にも変化があったため, 弓部大動脈を斜めに切離して末梢吻合を行った. いずれも脳分離体外循環を使用し, 直腸温23℃で体循環停止(間歇的低流量送血)時間は60分前後であったが術後経過は良好, 吻合状態も良好であった. DeBakey II型解離症例には腕頭動脈直下あるいは大動脈弓部まで瘤状変化の及んだものが多い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : DeBakey II型解離, 大動脈弓部開放術式, 脳分離体外循環, 体循環停止
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