Title : |
三尖弁全弁輪縫縮術(T-TAC)術後遠隔期における2剖検例の検討-三尖弁全弁輪縫縮術の限界と思われた症例- |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
足立孝1), 北村信夫2), 大滝正己2), 三木太一2), 山口明満2), 田村栄稔2) |
Authors(kana) : |
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Organization : |
1)東京女子医科大学第1外科, 2)国立大阪病院心臓血管外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
38 |
Number : |
6 |
Page : |
1039-1044 |
Year/Month : |
1990 / 6 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
二次性三尖弁閉鎖不全症に対して当科では, 以前より三尖弁全弁輪縫縮術(T-TAC)を行い良好な成績を上げてきた. 心臓悪液質を伴った僧帽弁閉鎖不全症及び二次性三尖弁閉鎖不全症に対し僧帽弁置換術とT-TACを施行した症例で, 術後遠隔期に著明な三尖弁逆流を認めLOSの末, 死亡した2剖検例に対して検討を行った. 症例1は, 術後6ヵ月頃より上気道感染症を契機に高度左心不全症状が出現し, 同時に著明な三尖弁逆流を認めLOSの増悪にて死亡した. 剖検所見でT-TACは有効であった. 症例2は, 術後7ヵ月頃より左心不全症状出現し, 更に高度三尖弁逆流を来しLOSにて死亡した. 剖検ではT-TACに用いた縫縮糸がはずれた三尖弁輪径は著明な拡大を示していた. 重症弁膜症においてはT-TACの弁輪縫縮効果は有効であっても, 心不全増強時には三尖弁逆流を生じ病態を一層悪化させることがあり, かかる症例に対するT-TACの適応に再考を要する. また, 高度心筋障害のため心筋組織も脆弱であり縫合糸によるカッティングを生じる場合もあるので手技上もこの点を考慮する必要があるなどの結論を得た. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
三尖弁全弁輪縫縮術, 二次性三尖弁閉鎖不全症, 重症弁膜症, 心筋障害, 心臓悪液質 |