アブストラクト(38巻6号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 気管原発腺様嚢胞癌術後3年目に肺転移を来した1症例 |
---|---|
Subtitle : | 症例 |
Authors : | 高橋広1), 窪田正幸1), 中田達広1), 永井勲2), 木村茂1), 野口志郎3) |
Authors(kana) : | |
Organization : | 1)愛媛大学医学部第2外科, 2)愛媛大学医学部手術部, 3)野口病院 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 38 |
Number : | 6 |
Page : | 1063-1067 |
Year/Month : | 1990 / 6 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 患者は33歳女性で, 外発育性気管腺様嚢胞癌に対し, 喉頭気管切除, 甲状腺亜全摘, 食道筋層部分切除, 両側頸部及び上縦隔リンパ節郭清を行い, 縦隔気管瘻を造設した. 腫瘍は輪状軟骨から第10気管軟骨輪まで浸潤していた. 本腫瘍は粘膜下に浸潤する傾向があり, 術中の腫瘍浸潤範囲決定には迅速標本による病理学的検索が必要である. 術後局所再発を認めず, 経過順調であったが, 3年6ヵ月後, 右肺S2, S10に転移巣を認め, 肺部分切除を施行した. 本腫瘍はlow grade malignancy, slow growingであるが積極的な外科的切除が心要である. 気管原発腺様嚢胞癌は内腔発育型を示すものが多く, 呼吸困難, 喘鳴を主症状として発見される場合が多い1)2). 嗄声を主症状として発見され, 甲状腺原発を思わせた外発育性気管腺様嚢胞癌に対し, 喉頭気管切除, 周囲浸潤臓器合併切除, 縦隔気管瘻造設を行った. 術後局所再発を認めず順調に経過していたが術後3年6ヵ月に肺転移を来し肺部分切除を施行した. 本症例の治療方針について文献的考察を加え報告する. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 気管腺様嚢胞癌, 外発育性浸潤, 縦隔気管瘻, 転移性肺腫瘍 |