アブストラクト(38巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺動脈瘤手術症例の検討
Subtitle : 症例
Authors : 国吉幸男, 古謝景春, 伊波潔, 赤崎満, 新屋瑛一, 草場昭
Authors(kana) :
Organization : 琉球大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 6
Page : 1073-1077
Year/Month : 1990 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 過去12年間に830例の開心術手術症例を経験したが, 内2例が肺動脈瘤合併症例であった. 症例1は21歳女性, 重症AAE症例に合併しており, Bentall手術に加えて肺動脈瘤壁一部切除兼縫縮術を行った. 瘤壁の病理所見では, 血管炎の所見であった. 症例2は44歳女性, MSR, TSR, Prの連合弁膜症に合併しており, MVR, TVR, 肺動脈弁形成術を行い, また肺動脈瘤に対しては症例1と同様に瘤壁一部切除兼縫縮術を行った. 瘤壁の病理所見では中膜筋組織の硝子様変性が認められた. 2症例とも肺高血圧症を示し, 肺動脈瘤の発症要因としては, 上記の血管病変に加えて肺高血圧症の関与が考えられた. 術後8年並びに1.5年の遠隔期においても瘤拡大を認めず, 術後経過は良好である. 先天性心疾患に伴う肺動脈拡大は少なくないが, 肺動脈壁に病変を有する肺動脈瘤に関する報告は少ない. われわれは過去12年間に830例の開心術症例を経験したが, 内2例(0.24%)が肺動脈瘤合併症例であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動脈瘤, 肺高血圧症, 大動脈炎症候群, 瘤切除兼縫縮術
このページの一番上へ