アブストラクト(38巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 巨大悪性Aortico-Pulumonary Paragangliomaの1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 五味淵誠1), 田中茂夫1), 川本雅司1), 鈴木恒道2), 田村浩一2), 庄司佑1)
Authors(kana) :
Organization : 1)日本医科大学胸部外科, 2)日本医科大学第1病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 6
Page : 1078-1082
Year/Month : 1990 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 本邦でのaortico-pulmonary paraganglioma(APPG)の報告は極めてまれであるが, われわれは最近APPGの1例を経験したので報告する. 症例は64歳, 男性. 臥位での呼吸困難・嚥下障害を主訴として来院. 胸部X線像で左肺野に突出する巨大な前上縦隔腫瘤を認めた. 血液検査ではCA19-9の軽度の上昇を認めるのみで, 血圧, その他に異常はなかった. 手術は腫瘍, 左腕頭静脈, 両側胸膜, 心膜合併切除術を施行し, 術後60Gyの照射を行った. 術後2年の現在, 再発は認められない. 腫瘍は15×13×8cm(865g)で病理組織・電子顕微鏡・酵素抗体染色の所見は, 典型的な傍神経節腫(PG)の像を示す部分と異型性を示す部分があり, 後者には血管内浸潤を認め, 臨床及び病理所見から悪性APPGと診断した. PGの概念がGlennerらにより確立されて以来, 本邦では悪性APPGの報告はなく, また本例のように巨大な縦隔PGの報告もない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 巨大前縦隔腫瘍, 悪性傍神経節腫, 非ホルモン産生腫瘍
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