アブストラクト(38巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : von Willebrand病患者に対する大動脈弁置換術の1経験
Subtitle : 症例
Authors : 関野美仁, 畑正樹, 遠藤雅人, 田林晄一, 鈴木康之, 毛利平
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 7
Page : 1183-1187
Year/Month : 1990 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : von Willebrand病(vW病)を合併した大動脈弁閉鎖不全症に対し, 弁置換術を施行したので報告する. 症例は38歳の男性で, 7年前に直腸ポリープ摘除術を受けた際, 異常出血を来し, 精査の結果vW病と診断された. 同時に心雑音を指摘され経過観察とされていたが, 次第に心不全症状が増悪し, 精査の結果, 大動脈弁閉鎖不全症(Sellers III度)と診断された. 手術は通常の体外循環, 中等度低体温下に機械弁による弁置換術が施行された. vW病対策として, 術前・術後に凝固因子補充療法を行い, 出血時間・第VIII因子を正常範囲に維持した. 術中・術後に異常出血は見られなかった. 患者は術後6ヵ月現在, ワーファリン服用下に良好に経過している. von Willebrand病(以下vW病)は先天性凝血障害性疾患では血友病に次いで多い疾患とされる1). この疾患を有する患者に対する観血的手技・外科治療施行に際しては, 古くから種々の止血対策が論じられてきた2)~7).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : von Willebrand病, 開心術, 凝固因子補充療法
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