アブストラクト(38巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Fontan変法術施行後, 4年6ヵ月で死亡し剖検にて右房内血栓を認めた三尖弁閉鎖症例
Subtitle : 症例
Authors : 林孝二, 須磨幸蔵, 竹内靖夫, 城間賢二, 成味純, 小山雄次
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学附属第2病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 7
Page : 1223-1226
Year/Month : 1990 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 12歳, 男児の三尖弁閉鎖症に対し, Fontan変法手術(右房背側部での右房肺動脈直接吻合術)を施行, 比較的経過は順調であったが, 術後4年6ヵ月で心不全のために死亡, 剖検にて栂指頭大の右心耳内血栓を認めた. Fontan変法手術後は, 特異的血行動態のため右房内血栓発生の可能性があり, 1. 定期的エコー検査などによる慎重な経過観察が必要であり, 2. 抗凝固・抗血小板療法の必要性が示唆され, 3. われわれの術式では右心耳の縫縮を考慮すべきであろうと考えられた. 1971年, Fontanら1)により三尖弁閉鎖症に対する機能的根治術の成功例が報告されて以来, 右房-肺動脈吻合術は術式の改良が加えられ, 最近では, より複雑な先天性心疾患へと適応が拡大されている. われわれも, 三尖弁閉鎖症, 単心室症に対してFontan変法手術を8例に施行し2)~4)術後良好な血行動態, 運動機能を得ているが, 最近, そのうちの1例が術後4年6ヵ月で心不全のために死亡した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 三尖弁閉鎖症, Fontan変法手術, 右房内血栓
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