Title : |
僧帽弁膜症における三尖弁輪形成術と右心機能 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
尾崎直, 近藤治郎, 相馬民太郎, 安達隆二, 蔵田英志, 井元清隆, 梶尾博一, 戸部道雄, 星野和実, 松本昭彦 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
横浜市立大学医学部第1外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
38 |
Number : |
8 |
Page : |
1248-1254 |
Year/Month : |
1990 / 8 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
1985年より1987年の3年間に僧帽弁膜症に合併した三尖弁病変と右心機能との関係について検討した. 手術症例31例で男性9例, 女性22例を対象とした. 年齢は37歳~69齢で平均52歳である. I群は三尖弁閉鎖不全症(TR)合併例で僧帽弁狭窄症(MS)10例, 僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症(MSR)5例, 僧帽弁閉鎖不全症(MR)2例の17症例である. II群はTR非合併例でMS12例, MSR2例の14例である. I群の全例に三尖弁輪形成術(TAP)を確実に施行した. De Vega法を12例に, Carpentier ringを5例に使用した. 心臓カテーテル検査を術前後に施行した. 右室容積は右室造影より計測した. 両群共, 肺動脈楔入圧, 肺動脈圧, 心係数は術後改善した. 肺小動脈抵抗(PAR), 全肺血管抵抗(TPR)はI群で有意に術前に高値を示したが術後は両群に差がなく改善した. 拡張終末期容積係数(RVEDVI)と収縮終末期容積係数(RVESVI)はI群において術後改善したがII群は術前後で正常範囲にあった. 術前のPARと術後の右室駆出率(RVEF)とは負の相関があった. これは肺血管病変の高度なものは術後も右室機能が低い状態にあることを示している. 術前後で両群とも, RVESVIとRVEFとは負の相関にあった. また両群とも, RVESVIとRVEFの改善率の関係は負の相関にあった. これはRVESVIが右室のポンプ機能に関与しているものと思われた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
僧帽弁膜症, 三尖弁閉鎖不全, 右室容積, 右室駆出率, ポンプ機能 |