アブストラクト(38巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 3ヵ月未満の総肺静脈還流異常症の外科治療
Subtitle : 原著
Authors : 井本浩1), 瀬瀬顯1), 上野安孝1), 轟木元友1), 戸嶋良博1), 丸岡文雄1), 城尾邦隆2), 東條武彦2)
Authors(kana) :
Organization : 1)九州厚生年金病院心臓血管外科, 2)九州厚生年金病院小児循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 8
Page : 1291-1297
Year/Month : 1990 / 8
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1986年6月から1988年9月までに3ヵ月未満の総肺静脈還流異常症9例に対し根治術を行った. 手術時日齢は4日から59日, 体重は1,814gから4,105g, 病型はDarling分類Ia 4例, Ib 1例, III 4例であった. 術前に心臓カテーテル及び造影検査を行ったのは5例で, 残る4例は心エコー診断のみにて手術を行った. 手術は通常の中等度低体温体外循環下にカルジオプレジア, 局所冷却及び大動脈遮断を併用して後方到達法により行った. 吻合口の切開は共通肺静脈幹内にとどめ, 肺静脈及び垂直静脈に入らないようにしたが最低でも10mmであった. 共通肺静脈幹と左心房の吻合は多くの場合連続縫合のみを用いた. 患者管理の面では, 術中術後を通じ体内血液量の急速な変化, 特に過多を避けるよう注意した. また術後の血圧は尿量を維持するだけの値があればそれ以上は求めず, 代わりに心拍数を170/分以上に維持した. 結果は手術死亡なく, 術後の経過も1例でLOSに陥った他は順調であった. 術後の検査ではいずれも良好な心内圧値及び造影所見を示しており, 術後遠隔期においてもPVOの所見を示すものはなかった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 総肺静脈還流異常症, 3ヵ月未満児, 体外循環, 後方到達法, 術後管理
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