アブストラクト(38巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 狭心症を合併した先天性大動脈四尖弁の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 秋田利明1), 早瀬修平2), 矢野洋2), 平松準夫2), 服部龍夫2)
Authors(kana) :
Organization : 1)名古屋大学医学部胸部外科, 2)名古屋第1赤十字病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 38
Number : 8
Page : 1326-1330
Year/Month : 1990 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は60歳の女性で, 労作時前胸部痛, 全身倦怠感を主訴に来院した. 心臓超音波検査, 大動脈造影, 及び冠動脈造影検査を行ったところ, 大動脈4尖弁とそれによると思われる大動脈弁閉鎖不全, 及び閉塞性冠動脈病変の合併が判明した. 大動脈弁置換術と冠動脈バイパス術の同時合併手術を行い良好な結果を得た. 先天性大動脈4尖弁は非常にまれな疾患であり, また冠動脈バイパス術の同時合併手術例は更にまれであるので若干の考察を加えて報告した. 大動脈四尖弁は非常にまれな先天奇形で, Simonds1)らの剖検例での検索では0.008%の頻度と報告されている. 近年, 心エコー法などの診断技術が進み, 生前に診断されたり2), また, 大動脈弁閉鎖不全症3)4)や感染性心内膜炎5)を起こし, 大動脈弁置換術3)~5)や大動脈弁形成術6)を施行された報告がなされるようになってきた. 今回, われわれはこの大動脈四尖弁による大動脈弁閉鎖不全症に閉塞性冠動脈病変が合併した症例に対し, 大動脈弁置換術と冠動脈バイパス術の合併手術を行い良好な結果を得たので症例の呈示と文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性大動脈4尖弁, 冠動脈バイパス術, 大動脈弁閉鎖不全症
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