Abstract : |
症例は17歳女性. 乳児期よりチアノーゼと心雑音を認めていた. 心エコー, カテーテル検査により単心房, 右室型単心室, 共通房室弁, 両大血管右室起始症, 右上大静脈及び下大静脈欠損, 弁性・弁下の肺動脈狭窄, hemiazygous continuationの診断によりTotal cavopulmonary shunt手術を施行した. 術後O2 satで10%の上昇を認め, 術前認めた頭痛も消失し運動能も著明に改善した. Total cavopulmonary shunt手術の術式として優れた点, 問題点, 術後早期の管理, 術後早期・遠隔期の問題点について考察を加えた. 単心室症に対しては, 姑息的な手術の他に, 解剖学的根治であるSeptationが, また機能的根治を目指したFontan型手術が施行されている. Kawashimaら1)の報告以来, 下大静脈欠損・共通房室弁・単心室型血流を示す症例に対しTotal Cavopulmonary Shunt(TCPS)手術が施行されるようになってきている. 今回, われわれは17歳女性の単心房・単心室症に対しTCPS手術を施行し良好な結果を得たので若干の文献的考察を加えて報告する. |