Abstract : |
近年, 大動脈弁狭窄症(AS)に対する経皮的大動脈弁形成術(PTAV)施行例の報告が増加しているが, PTAV後の大動脈弁置換術(AVR)施行例の報告は本邦ではいまだ見当らない. 今回著者らはPTAV後に大動脈弁閉鎖不全症(AR)が増悪し, AVRを施行した1例を経験したので若干の検討と考察を加え報告する. 症例は71歳女性, 石灰化した先天性2尖弁を伴うASに対しPTAVを施行したところ, 術前認められなかったARがSellers 3度となり, 強力な内科治療にもかかわらず心不全症状はNYHA 3度以下に改善されなかった. そこでPTAV後56日目に19mmのSJM弁にて大動脈弁置換術を施行した. PTAVはその効果や安全性, 合併症等に問題がないとは言えず適応の決定には慎重な配慮が必要と考えられる. 最近, 欧米では経皮的大動脈弁形成術(PTAV)に関する報告が増加しつつあるが, わが国ではいまだ少なく, 特にPTAV後に大動脈弁置換術(AVR)を施行したいという報告は見当らない. 今回, 著者らはPTAV後に大動脈弁閉鎖不全(AR)が増悪し, AVRを必要とした1症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する. |