Title : |
気管広範囲切除再建後, 声門狭窄のために甲状軟骨切開を余儀なくされた甲状腺癌の1例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
鈴木隆1), 堀豪一1), 北見明彦1), 虫明孝康2) |
Authors(kana) : |
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Organization : |
1)昭和大学藤が丘病院胸部心臓血管外科, 2)昭和大学病院外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
38 |
Number : |
8 |
Page : |
1345-1350 |
Year/Month : |
1990 / 8 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
甲状腺癌が気管へ進展した症例に対して気管形成術が広く行われるようになった. 気管の安全切除限界は8気管軟骨輪といわれるが, 限界に近い切除を行った場合, 合併症の頻度が高くなることが指摘されている. われわれは甲状腺癌のために気管を12軟骨輪切除後, 気管再建を行った57歳の女性に両側反回神経麻痺による声門狭窄を認めた. 本症例に気道確保の目的で20日間経鼻挿管を行った後, 気管切開下にシリコンTチューブの挿入を試みたが, 気管が短縮して縦隔から露出することができず甲状軟骨で気道の切開を余儀なくされた. このような症例で気管切開が不可能なことは気管広範囲切除・再建術に関連して生じた新しい問題と思われる. 本症例は術後約2年経過した現在, 喉頭からシリコンTチューブを留置した状態で呼吸困難や誤嚥はなく担癌状態ではあるが生存中であることから甲状軟骨切開によるTチューブの挿入が次善の策として適切であったと考えている. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
甲状腺癌, 気管形成術, 両側反回神経麻痺, 甲状軟骨切開, シリコンTチューブ |